高度発情期に浮かれるニャッポン経済。その影で大量の廃棄物が海に垂れ流され、ニャッポンの近海は今や瀕死の状態にあった。漁獲量は激減し、魚屋の軒先からマグロやカツオの姿が急速に消えていった。
そんな時代、少しの鰹節と大量のご飯で盲目的に満腹になるネコマンマ産業が勃興。今まで鶏餌でしかなかった米の価格は急騰し、細々と暮らしていた米屋は、超巨大企業へと成長した。
多くの利権が絡み合い、政府に、そして暗黒街にまで影響力を持つようになった米屋。伝統的近海漁業を貫いてきたニャッポン魚屋連合会は、ネコマンマによる食害の回避と魚屋産業の巻き返しを図るべく、遠洋マグロ漁船団を焼津港より送り出すことを決定した。
その華々しい出港式のテレビ中継を睨んでいる2匹のネコがいた。ネコマンマ産業を影で牛耳る猫山米店番頭のドラ山と、猫草バーガーでニャッポン進出を狙うドニャルドパン社長のキャットニップであった。
ドラ山はマタタビ葉巻を噛み潰しながら、漁船団がマグロを大量に持って帰ったら我々の猫類草食化計画は終わりだ、と呻く。しかし、ニャットニップは不敵な笑み。
「アメショウ合衆国で非合法に開発された強力嫌魚剤がもうすぐノミ取り薬に偽装して市場に出回るニャ。港には手を打ってある。あの漁船団、港の中でジ・エンドニャ」
パレードに沸く焼津港。魚屋連合会が万が一に備えて出動要請した亀吉防衛隊の目前で、港の倉庫群が爆発し、中から巨大コロネパンに体を包まれた大怪猫モスニャが現れた!
ニャッポンの、そして全猫類の食生活を賭けた凄烈な戦いが今始まる・・・ |
|
|