太古の昔、この惑星「肉球」を支配していたのは巨大な恐猫であった。そして恐猫は、現生猫類が地上に出現するずっと以前に絶滅し、今その存在を示すのは発掘される化石のみである。だが、その恐猫がスコティッシュ王国のニャス湖で生き残っている!
近頃ニャッポンの仔猫タチが夢中になっているのが、ニャス湖のニャッシーやUFO、ヒマラヤン山脈の雪雄などを扱ったテレビ特番「蚤曜スペシャル」。仔猫タチは、蚤曜日の夜には、猫缶よりテレビに噛り付いていた。
そんな折『信州の上田湖に恐猫がいる』というウッシーの噂が囁かれ、実際に恐猫を見たという釣猫が出るに至って、ようやくマスコミも取材をかけ始めた。
仔猫科学雑誌「せかい99のなぞ」の記者サヨリは、10年前にニャス湖調査を行い、帰国後に突然学会から引退して上田湖畔に住み着いたという恐猫学者ヨツカイドウを取材する。
ヨツカイドウ博士は、長い首や巨大なエリマキを持った恐猫の想像図を見せて、熱く語った。だが、博士が生きた恐描を持ち帰ったのでは、という学会内の噂を質すサヨリを、博士は毛玉を吐き付けて追い返してしまった。
その夜、湖畔で久々の川魚を堪能するサヨリの耳に「エリザベース!」というヨツカイドウ博士の叫びが聞こえた。とっさに身を伏せ隠れたサヨリだが、鼻先で揺れる小枝に思わずクンクンする。気配に振り向く博士の血走った爛々たる糸目がサヨリを捕らえた瞬間、湖から水しぶきと共に巨大なエリマキを持った凶暴そうな大怪猫が姿を現した!
恐猫は倒すべき敵か?保護すべき希少動物か?
防衛隊、そして猫類を大いなる葛藤に巻き込む戦いが、今始まる・・・・ |
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