太古、一万年の昔。鯛平洋上にはミュウ大陸があり、現代を凌ぐ科学力を持っていました。しかし地殻変動で大陸は一夜にして海底に没し、今は世界の謎となったのです・・・
ジン少年は、大好きなテレビ「蚤曜スペシャル」が終わり、海に面した窓を開け、潮風を招きいれた。
「このずっと向こうにミュウ大陸があったんだニャァ」
その時、波打ち際で何かが月光に煌くのを見たジンは、すぐさま海岸へ駆けつけ、海から父グンジ博士の研究所へ続く奇妙な足跡を発見した。
(すぐにパパに知らせニャくちゃ)
駆け出そうとしたジンの足元を、1匹のカニが歩いてゆく・・・ジンは、もうカニまっしぐら。他のことなど、跡形もなく忘れ去っていた。
翌日。世界は海から出現した獰猛な大猫竜ミャンダの攻撃を受け、お茶の間のテレビには、荘厳な神殿とキンキラ衣装をまとった高貴な雌猫が映った。
「地上の全猫類に告ぐ。われミュウ帝国皇帝のもとに降伏するニャ。グンジ博士が開発したカモノハシ型特殊戦艦《仰天号》を、わが帝国に渡すニャ」
驚いたジンが研究所に駆け込むと、防衛軍幹部が何匹も顔を揃え、博士がミュウ帝国に誘拐されたことを告げた。しかも、仰天号の発動は、ジンの付けた鈴の音の波形と、ジン自身の声紋がキーになっているという。
「パパとセカイを救うため、ボクも仰天号でミュウ帝国に行くニャ!」
ミュウ帝国が恐れる《仰天号》とは如何なる戦艦なのか?
そして防衛軍はミュウ帝国の野望をくじくことができるか?
太古の昔、地上と海底に分断された2つの猫類の惑星「肉球」の覇権を賭けた戦いが今始まる・・・ |
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