臨海第2埋立地。大都会が吐き出す膨大なゴミの終着点に、その夜、屈強な黒猫が運転する一台のリムジンが乗りつけた。車からは1匹のメス猫。彼女は、ゴミの上に小さなポリバケツを置き、再び走り去った。か細く繰り返す子猫の鳴き声を残して・・・
5年後。埋立地には大工場や商業施設が建ち始めたが、まだまだ大部分が空き地。広大な原っぱに隠れ家いっぱい、オモチャも出土。子猫の楽園だ。最近、ここで多発する謎の発火現象を調査に来た研究官サムは、子猫たちが遊んでいるポリバケツに注目した。腐らないはずのポリバケツが、ボロボロに腐食されていたのだ。
「ゴミニャにかかれば一瞬だニャ」
この界隈のストリート・キティを牛耳るガキ大将タビの話では、ここに棲む怪猫『ゴミニャ』はゴミをエネルギーとし、とても勇敢で優しく、ストリート・キティたちと大の仲良しだという。
サムはバケツに付着した唾液から、高分子も金属も驚異的に分解する超酵素『ネオポリニャンA』を発見した。
新興軍需企業「猫八魚店」の会長ブブは、超酵素独占を目論み、政府にゴミニャ捕獲の圧力をかけ始めたが、会長の第3夫猫ワキは落ち着かない。
(もしや「あの子」ニャのでは)
翌日のテレビ。ちり取り翼と三輪車を巨大ポリバケツに合体させた怪猫ゴミニャと、イカ好きストリート・キティ連合「黒いエンペラ」が、防衛軍本隊と対峙していた。タビが声高に叫ぶ。
「ゴミニャは渡さない! ボクたち捨てられたストリート・キティたちの友ダチ、いや《英雄》だからニャ!」
仔猫と怪猫の友情の行方は?
ゴミ問題とストリート・キティ問題を社会にただす戦いが、今始まる・・・ |
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