気の弱い仔猫ノンタは、空想で生み出した怪猫と夢の中で遊ぶのが大好き。近所のガキ大将ブッチにいじめられたって、夢の中なら怪猫といっしょにブッチを懲らしめられる。そんな弟を、歳の離れた姉ユリは心配しながらも「雄(おとこ)らしくしニャさい!」と叱咤するが、彼はすぐに夢の中に閉じこもる。
そんなある夜、ノンタが夢に見たのは、ひたすら眠り続ける奇妙な怪猫だった。そして、彼が夢見ている間、街には大怪猫が出現し、大暴れしていた。
翌朝ノンタは、テレビに映る怪猫が、夢の怪猫と瓜二つなのでビックリ。怪訝そうな姉に、思わず夢の話をしかける。だが『ネムドン』と名づけた夢の怪猫と遊びたくて、彼の心は、それが同じ怪猫だと認めない。
次の夜も、その次の夜も、ノンタの夢にネムドンは現われたが、やはり眠るばかりで遊んでくれない。そして、ネムドンは毎夜、現実の街で破壊の限りをつくした。しびれを切らしたノンタが、ついに夢の中でネムドンを揺り動かすと、罵声が頭に響く。
「オレを起こすニャ!いじめられっこのお前のうっ積したエネルギーを夢から吸い取り、オレは現実世界で大暴れできるニャ!」
ついに真実を知ったノンタ。自分の心の弱さを悔やみ、ネムドンとの対決を決意した彼は、もう道端でガキ大将に出会っても怯まない。ノンタの熱い決意に雄気を揺さぶられたブッチは、不敵にニヤリと笑った。
「安心しぃや!お前が危ニャイ時は、ワイがその性悪ネコをヘコましたるデ〜」
大学で深層心理を研究する姉ユリとその恩師ニタニ博士にすべてを打ち明けるべく、2匹の雄猫は、颯爽と街に走り出した!
一匹の仔猫が、自己の殻を破り、真の友情とオトニャへの扉を開く戦いが、今始まる・・・ |
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