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Stuff & Cast |
企画・制作: |
曽根麻矢 |
監督: |
葉月奨 |
脚本: |
吉本テツ |
撮影: |
今田ヒロ |
特撮: |
黒田チョロ之 |
音楽: |
吉田シゲル |
出演: |
伊東草太
三輪らにーにゃ
蘇祢ゴロ
斧河うしこ
浜ハル
青山ヨシオ
川崎ヒロジ(特別出演) |
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今をさかのぼること4000年の昔。バビロニャの民猫たちは凶悪な魔猫
ポンデニャンの悪行に苦しめられていた。だが、バビロニャの王は、国内、そして近隣の同盟国から高僧たちを召喚し、ようやくポンデニャンを宮殿の地下深く封印することに成功した。しかし、ポンデニャンは地下の幽閉窟に入る前に王に叫んだという。
<4000年の後、再び目覚め、この世を恐怖のルツボに落とし込んでやるニャ>
その後悠久の時の流れの中でバビロニャ王国は滅亡したが、その伝説は脈々と受け継がれ、地元猫たちは誰もバビロニャ遺跡に近付こうとはしなかった。
だが、文明が発達するにつれて、猫達の行動範囲は広がり、その伝説を知らぬ者たち―――盗賊、考古学者、観光客、そしてテレビ取材班がバビロニャ遺跡の入り込んできた。
ニャッポンのテレビ局が企画する「川崎ヒロジ探検隊」は、世界中の伝説
の地に調査隊と称するヤラセ取材班を送り込み、荒唐無稽な展開とバレバレ
の演技が逆に仔猫たちにウケて、高視聴率を誇っていた。その一隊が、バビ ロニャ遺跡を訪れた。
企画名
『脅威!古代王国バビロニャの地に、伝説の大妖猫は存在した!』
古代王宮と思われる遺跡の地下室に分け入りながら、カメラニャンのシンパチは、鼻をくすぐる砂埃にくしゃみを繰り返しながらぼやいた。
「いいのかニャぁ。地元の連中は、誰も近付きませんよ。ここ」
「いいニャ、その辺をチョコッと撮影して帰れば。後は、帰ってから適当に ヘビとか入れてナレーションで煽りまくれば、一丁あがりニャ」
隊長役のヒロジは、地下室の壁でガリガリ爪を研ぎながらせせら笑った。
そのうち壁の一部が崩れ、半分埋もれた小判が現れた。シンパチの止めるのも聞かず、しめしめ役得とばかりに、ヒロジはその小判を引き抜いた。その時、
大きな地震のように地下室が揺れ、天井や壁が崩れだした。慌てた2匹が血相を欠いて地下室から這い出ると、さっきまで晴天が嘘のように、黒雲が空をおおい、稲妻が走り巡った。そして、地下室の中から青白いモヤが流れ出し、
それはいつかライオンの頭、アヒルの翼、ヘビの尻尾を持つ凶悪な魔猫の姿となった。
<われ、4000年の長き眠りから目覚めたニャ。・・・でも低血圧だから、 もうちょっと寝るニャ>
そして、ポンデニャンは気を失った2匹の異国猫を見下ろし、ヒロジの体に 憑依した。
都会伝説は、いつでも仔猫によって広められる。ニャッポンの首都に聳えるテレビ局YTVの本社ビル。『その中庭の池に河童猫が棲んでいる』という噂は、一部の仔猫の間では有名だった。その中庭で、シンパチとヒロジが言い争っていた。
「どうしちゃったニャ。ヒロジさん。川崎ヒロジ探検隊を中止するなんて」
「あんな仔猫番組は興味ニャい。これからは若いおネーちゃん猫をハベラせて、酒池鮪林の超堕落番組『オトニャの午後11時』を作るニャ」
ヒロジは不敵に笑いながら社屋に消えていった。
中庭の池には、なんと本当に河童猫が棲んでいた。その眼には、ヒロジの姿を借りた魔猫がハッキリと見えていた。意気軒昂な河童猫は、機会を狙っては一撃を食らわそうとするが、魔猫の強大な妖術の前に前足も後足も出ない。
そのうちYTVのお偉いさんが次々と魔猫の餌食となり、歯止めのなくなった俗悪な番組が大量に世間に流れ始めた。教育委員会とPTAが猛反発するが、ヒロジは説明会と称しては彼らをテレビ局に連れ込み、次々と餌食にしていく。
そんなある夜、それぞれに悩むシンパチと河童猫は、TV局の中庭で鉢合せ。
よくよく話をしてみると、ともに悩みの原因はヒロジ=ポンデニャン。河童猫の知らせを受け、ニャッポン妖猫のドン・猫又師匠の召集令状が、全国の妖猫ポストに発せられた。妖艶なろくろ三毛姐さん、いたずら者のカラ傘猫、
タクシーにもなる便利な一反さらし、清楚なお顔とゾウさん顔が一粒で2度おいしい二面娘などなど・・・ニャッポン中からユニークな妖猫達が、続々と焼津に集結を始めた!
ニャッポンの妖猫たちは、恐ろしい魔力と妖術を持つ 異国の魔猫ポンデニャンを撃退することができるのか?
今、ニャッポン妖猫の総力をかけた一大決戦が始まろうとしている・・・ |
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